日本株のPBRの低さについて

株式

日本株の代表的インデックスの現状

『米国株投信と日本株投信』のテーマでも書いた通り、米国株や世界株インデックスは魅力を感じていますが日経平均やTOPIX等の日本の代表的なインデックスにはあまり魅力を感じません。その理由にPBRが恒常的に低い事があげられます。

PBRの定義

『Price-Book-value Ratio』略してPBR。計算式は【PBR=株価/1株あたりの純資産】となりますので仮にPBR<1の場合、株価は解散価値よりも低い評価という事になります。なぜ1よりも低い評価があり得るのかという事ですが、株価は将来の稼ぐ力を評価しますので解散価値よりも低い株価という事は将来その企業は稼げないと投資家から判断されている証拠となります。

日本の代表的な低PBR業種

Yahoo!ファイナンス等で低PBRを検索するとトップ10は地銀が独占しています。トップ10以降もほぼ地銀なので現時点で投資家は地銀の未来は明るくないと判断しているようです。たしかに地銀は日本の金融政策、地域経済の衰退、人口減少等から見ても業務環境が厳しい状況なのは明らかです。地銀も20年前の都市銀行と同じように大型再編が迫られています。因みに日経新聞の11月12日のマーケットデータを見てみると日経平均採用銘柄のPBRは1.2倍となっており欧米と比べても低いですが、地銀の低PBRトップ10は軒並み0.1倍程度です。解散価値の1/10と言うことは企業が存続したら将来に渡って赤字となり今の純資産を毀損させるから今すぐ事業をやめろと市場が言っているようなものです。

米国はなぜPBRが平均的に高いのか

米国株は平均的にもPBRは高く4~5倍となっています。高い要因としては大規模設備が不要で高い技術があれば高い利益をあげれるIT・通信の分野で強いという事があります。また、伝統的な業種の企業であっても一般的な日本企業よりも利益率が高く株主還元の意識が強い事も投資家に支持されている要因だと思われます。現に中長期的に米国株に投資していればほとんどの方が取ったリスク相応以上のリターンをあげているはずです。因みにマイクロソフトのPBRは約18倍です。

まとめ

日本株インデックスが魅力的と思われるためにはまず日本企業全体の利益率を欧米並みにすることです。伊藤レポート以降ROE向上の意識は高まりましたが、未だ充分ではありません。なぜ充分でないと言えるのかというと上記の通りPBRが他国と比較して平均的に低いからです。将来に渡って存続し、高い利益をあげる事ができるのであれば解散価値の1倍ちょっとの評価しかつかない訳がありません。よって私はポートフォリオに日本株インデックスを入れていません。変化のスピードが速い今の時代は変化に柔軟に対応できる国や企業が強いですね。

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